ふるさと納税は、手続きをすれば自己負担金2,000円で応援したい自治体の返戻金が受け取れるお得な制度です。
そのため、毎年欠かさずふるさと納税しているという方もいるのではないでしょうか。
そのような方で、下記のようなお悩みを持っている人もいるかもしれません。
- 産休や育休中にふるさと納税はできるのか知りたい
- 育休中で収入がないとふるさと納税はできないの?
そこで、この記事では下記の内容についてお伝えします。
- ふるさと納税の産休・育休中利用に関する注意点
- 控除限度額の確認方法
- 育休のタイミングと住民税について
- 産休・育休中のふるさと納税についてよくある質問
産休中や育休中にふるさと納税できるのか知りたい方は、ぜひご覧ください。
ふるさと納税は産休・育休中でも利用可能|注意点あり
ふるさと納税は、基本的に産休・育休中でも利用可能です。ただし、いくつか注意しなければいけない点があります。
注意点は下記の3つです。
2.控除を受けるためには収入があり納税することが前提
3.育休が終わったらふるさと納税するのがおすすめ
ふるさと納税をするタイミングによっては、所得税の還付や住民税の控除が受けられない可能性もあるので、詳しく解説します。
1.ふるさと納税とは応援したい自治体への寄付である
ふるさと納税とは、そもそもどのような制度なのか解説します。
ふるさと納税は、応援したい自治体への寄付です。
ただし、寄付した金額に応じて自己負担金2,000円で所得税の還付や住民税の控除が行われます。
また、寄付した自治体からもらう返礼品を自分で選べるのも魅力です。
寄付する側にもメリットのある制度なので、利用している人も多い制度となります。
育休中や産休中ももちろんふるさと納税することは可能です。
ただし、ふるさと納税はあくまで応援したい自治体への寄付なので、納税しない場合には控除は受けられません。
納税しない場合は、返礼品を受け取ったとしても控除がないと自己負担金は2,000円を超えてしまいます。
自己負担金が2,000円を超えてしまうと、ふるさと納税のメリットである「お得に返礼品がもらえる」を活かせなくなってしまいます。
ふるさと納税は、控除がありお得に返礼品を受け取れるという理由から利用している人が多い制度です。
そのため、控除される前提でふるさと納税をしている人は注意が必要となります。
ふるさと納税の仕組みについて詳しく知りたい方は、下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
2.控除を受けるためには収入があり納税することが前提
控除を受けるためには、一定の収入があり住民税を納税することが前提となります。
なぜなら、住民税を納税しないのに、控除を受けることはできないからです。
基本的にふるさと納税の控除上限額は寄付する年の1月から12月の収入で決まります。
そのため、1月から12月の収入が育休や産休で働いておらずない、もしくは少ない場合には、収める税金も少なくなってしまいます。
納める税金が少ないと控除上限額も少なくなるので、注意が必要です。
控除限度額を超えた分については自己負担になってしまいます。
一般的に言われる目安として、201万円を超える収入があればふるさと納税するメリットがあると判断できるでしょう。
ただし、これはあくまで目安なので、シミュレーションを利用してふるさと納税をするべきかどうか判断するようにしてください。
3.育休が終わったらふるさと納税するのがおすすめ
育休が終わって復職し、控除限度額が決定してからふるさと納税をするのがおすすめです。
なかには、育休中に収入がなかったためその年の住民税の支払いがなかったり少なかったりする人もいます。
そうなると、ふるさと納税しないほうがいい場合もあるでしょう。
しかし、ふるさと納税したときの住民税の控除は翌年の住民税から控除されます。
したがって、現在支払っている住民税はその年のふるさと納税の控除対象ではありません。
復職して収入があり、控除上限額が決まれば翌年控除が受けられます。
育休が終わり復職した1月以降のふるさと納税をするのがおすすめです。
ふるさと納税できる上限額の確認方法
産休・育休中に限らず、ふるさと納税をする際には控除上限額の確認が大切です。
控除上限額を超えてしまうと、自己負担金が2,000円以上になってしまいます。
ふるさと納税できる上限額の確認方法でポイントとなるのは下記の2つです。
2.控除上限額にはボーナスも考慮する
とくにシミュレーションするときに、ボーナスは忘れてしまいがちな項目なので考慮するようにしましょう。
限度額が超えてしまった場合どうなるかについては、下記の記事でも詳しく解説しています。
限度額について、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
1.シミュレーションを行って控除上限額を確認する
控除上限額については、シミュレーションすることでおおよその金額を確認できます。
産休に入ったタイミングによって、1年間の年収は変わってくるので、シミュレーションして控除限度額を確認しましょう。
控除上限額の計算方法については給与収入と家族構成で算出できる「簡易シミュレーション」があります。
下記の控除額シミュレーションより自分のおおよその控除上限額を確認しましょう。簡易のシミュレーションですが、どのくらいふるさと納税できるか目安として参考にできます。
2.控除上限額にはボーナスも考慮する
産休に入る前にボーナスが出ていれば、収入に合算する必要があります。
また反対に、産休・育休中はボーナスがなかったり減額されたりする場合があるので、見込み収入を計算するときに考慮しておく必要があります。
年収が下がると、控除上限額も下がるので注意しましょう。
産休・育休中にふるさと納税するときに抑えておきたいポイント
産休・育休中にふるさと納税する場合には、抑えておくべきポイントがあります。
抑えておきたいポイントは、下記の3つです。
【ポイント2】医療費控除を考慮する必要がある
【ポイント3】ふるさと納税で税金控除を受けるには申請が必要
とくにポイント1の各種手当は産休・育休中の収入源でもあるので、課税か非課税かしっかり理解しておく必要があります。
それぞれ詳しくみていきましょう。
【ポイント1】出産に関する各種手当は非課税
出産にあたり、各種手当金や育児休業給付金をもらう方も多いのではないでしょうか。
これらの各種手当は、非課税の所得のため税金はかかりません。
そのため、ふるさと納税の控除上限額を計算するシミュレーションに収入として含まないように注意しましょう。
【ポイント2】医療費控除を考慮する必要がある
年間の医療費が10万円を超えた場合には、医療費控除が受けられます。
普段、医療費控除の対象になったことがない人でも、妊娠出産にかかる費用で医療費控除の対象になる可能性が高いです。
医療費控除を利用するとふるさと納税の控除限度額が下がるので注意しましょう。
ただし、家族合算できるので医療費控除は夫か妻どちらが申請すればOK。
例えば、夫が申請する場合、妻の控除限度額に影響はありません。
医療費控除を産休・育休を取得した本人が行う場合には、医療費控除を含めて控除上限額の詳細なシミュレーションをするのがおすすめです。
【ポイント3】ふるさと納税で税金控除を受けるには申請が必要
産休・育休中に限りませんが、ふるさと納税をして税金の控除を受けるためには、申請が必要となります。
方法は、確定申告とワンストップ特例制度のどちらかで申請可能です。
以下の条件を満たす場合には、ワンストップ特例制度が利用できます。
・給与所得者で確定申告する必要がない
ただし、医療費控除を受ける場合には確定申告が必要なのでふるさと納税についても確定申告で申請するようにしてください。
産休・育休中のふるさと納税でよくある質問
産休育休中のふるさと納税についてよくある質問をまとめました。
今回紹介するよくある質問は下記の3つです。
気になる内容がありましたら、ぜひご覧ください。
Q2.育休・産休中でもふるさと納税するとお得なの?
Q3.育休・産休中に入るタイミングでふるさと納税するかどうか決めるといいの?
それぞれ詳しく回答します。
Q1.ふるさと納税は本当にお得なの?
ふるさと納税をすると、下記のメリットがあります。
ふるさと納税で寄付した場合、寄付した金額から2,000円を引いた額が税金控除の対象となります。
そのため、実質負担金2,000円で自分が欲しい返礼品を選べるのでお得です。
なぜなら2,000円以上の価値がある返礼品を選ぶこともできるからです。
ただし返礼品なしで、災害支援に使ってもらうなどの寄付もあります。
この場合は、返礼品というお得さはありませんが、支援したいところにふるさと納税という形で、支援金を届けられるメリットがあります。
一例ではありますが、具体的に下記のようなものが返礼品なしのふるさと納税です。
まだ、記憶に新しいハワイのマウイ島の山火事火災の災害支援寄付金もあります。
また応援した自治体に寄付して、返礼品なしで寄付するタイプもあります。
Q2.育休・産休中でもふるさと納税するとお得なの?
育休中・産休中でもふるさと納税することは可能です。
ただし、収入がない場合には税金を納めない、もしくは少ない可能性が高いので、控除される税金が少なく、返礼品を受け取ってもお得にはならない恐れがあります。
税金が控除されないと、実質負担金は2,000円を超えて自己負担となります。
産休・育休に入るまでのその年の収入をしっかり確認してシミュレーションを行い、お得かどうか判断する必要があるでしょう。
Q3.育休・産休中に入るタイミングでふるさと納税するかどうか決めるといいの?
収入は人それぞれ違いがあるので、一概には言えません。
ただし、産休に入るタイミングが1月の人と12月の人では、その年の収入に大きな差があることを理解しておきましょう。
ふるさと納税の住民税が控除されるのは寄付する年の1月〜12月が対象なので、1月から産休に入った場合、その年はほとんど収入がない状態になってしまいます。
一方で、12月に産休に入った場合は、その年の1月から11月までの収入です。
2つのパターンを比べると、12月から産休に入る人が、ふるさと納税で住民税を控除してもらうメリットを活かせる可能性が高くなります。
ただし、収入によるのでふるさと納税をするメリットがあるかどうかはシミュレーションで確認してください。
シミュレーションと同じく、産休に入るタイミングは目安になるのでおぼえておくようにしましょう。
まとめ:産休・育休中のふるさと納税は収入を考慮して決めよう
産休・育休中でもふるさと納税はできます。
ただし、収入によって住民税が控除されるかどうかが変わってきます。
税金を控除して実質負担金2,000円を超えたくない人はシミュレーションをしっかり行って検討する必要があるでしょう。
収入によって、ふるさと納税しないほうがいいと判断した場合でも、復職すれば産休に入る前のようにふるさと納税するのがおすすめです。
収入があれば、税金の支払いも発生するため控除のメリットが活かされます。
ふるさと納税は、実質負担金2,000円で自分で選んだ自治体の返礼品がもらえるお得な制度です。
各自治体は返礼品に工夫を凝らしていて、魅力的な返礼品が多くあります。
自分のふるさとや、旅行で行って楽しかった土地に寄付してみるのもいいかもしれません。
ふるさと納税にどのような返礼品があるか知りたい方は、下記より探してみてください。