ふるさと納税をするにあたって、給与収入を確認しないといけないことは分かっていても、「給与収入って何を指すのか?」が分からない方も多いでしょう。
そこでこの記事では、ふるさと納税で必要な給与収入の意味や、給与収入を確認した後の寄付限度額の調べ方などを詳しく紹介しています。
寄付限度額はふるさと納税において最重要事項であるため、ここでしっかりと理解しておきましょう。
寄付限度額を超えて寄附してしまった場合、自己負担額が増えてお得なふるさと納税の恩恵を受けられなくなる可能性もあります。
さっそくみていきましょう。
ふるさと納税における「給与収入」とは?
ふるさと納税を行う前には、寄附限度額を調べる必要があります。
寄付限度額は「いくらまでの寄附なら、お得にふるさと納税ができるか」の基準のことを指します。
そして寄附限度額を調べる際には、自身の年収が必要です。
ここで必要な年収とは、社会保険料などが控除される前の「会社から支払われた金額の合計」を指します。
源泉徴収票で見た場合、「支払金額」の欄に書かれている金額がふるさと納税で必要になる「年収」です。
年収は源泉徴収票で確認できますが、源泉徴収票は毎年年末近くにならないと発行されません。
ふるさと納税の限度額は、ふるさと納税を行うその年の年収が必要になるため、正確な限度額は年末にならなければわからないのが現状です。
そのため、給料の変動がそこまでない場合は、前年の源泉徴収票をもとに自身の年収を確認することもおすすめです。
ふるさと納税の寄付限度額の確認方法
ふるさと納税とは、寄附した金額に応じて住民税や所得税が控除される仕組みです。
税金の控除がある上に自己負担額2,000円のみで様々な品物を受け取れるため、お得な制度として知られています。
ふるさと納税のやり方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
興味のある方は、ぜひ合わせてチェックしてくださいね。
ただし、住民税や所得税の金額以上に寄付をしたとしてもそれ以上の控除はありません。
超過した分は自己負担となるため、控除額を超えないように寄附することで、最もお得にふるさと納税ができます。
そのため、ふるさと納税を行う前には寄付限度額を調べましょう。
ここでは、寄付限度額の調べ方を2通り紹介します。
- ふるさと納税の寄付限度額を大まかに把握する方法
- ふるさと納税の寄付限度額を正確に確認するなら「住民税決定通知書」
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ふるさと納税の寄付限度額を大まかに把握する方法
ふるさと納税の寄付限度額は、年収と家族構成があれば簡単に計算することが可能です。
源泉徴収票が手元にない場合や、おおよその金額を知りたい時などにはシミュレーションを利用しましょう。
下記のページでは年収と家族構成を入力するだけで、いくらまで寄附できるのか調べることができます。
簡単にシミュレーションできるので、ぜひやってみてください。
ふるさと納税の寄付限度額を正確に確認するなら「住民税決定通知書」
ふるさと納税の寄付限度額を正確にチェックするなら、「住民税決定通知書」が必要です。
住民税決定通知書とは毎年5~6月頃に勤務先で配布されている、住民税の金額が確認できる書類です。
「税額控除額」の欄に控除額が記載されています。
ワンストップ特例制度を利用した場合と確定申告をした場合とで、確認方法が少し異なります。
【ワンストップ特例制度を利用した場合】
- 控除額の全額が住民税から控除される
- 控除の金額は、住民税決定通知書の「税額」の項目の市町村の「税額控除額」と、道府県の「税額控除額」の欄で確認できる
【確定申告をした場合】
- 住民税と所得税のそれぞれから控除される
- 控除額を確認するには、確定申告書と住民税決定通知書の2つが必要
詳しくはこちらの記事でも解説しているので、必要な方はぜひ読んでみてください。
ちなみにワンストップ特例制度を利用した場合でも、確定申告を行った場合でも、どちらも控除額の合計は同じです。
「こっちの方がお得」ということはなく、控除される税金の種類が異なるだけなので理解しておきましょう。
住民税の控除が適用されるのは、ふるさと納税をした翌年の6月から1年間です。給料から天引きされている住民税の額が減るため、手取りが増えます。
ふるさと納税の寄付限度額についての注意点
ふるさと納税では寄付限度額の確認がしっかりできていないと、むしろ自己負担が増えて「全然お得にならなかった」となることもあります。
お得にふるさと納税を行うには寄付限度額がカギとなるので、ここでは絶対抑えておきたい注意点を2つご紹介します。
- 医療費控除など他の控除を受けていると、寄付限度額は変わってくる
- 12月末日までにふるさと納税を行う
それぞれ詳しくチェックしていきましょう。
医療費控除など他の控除を受けていると、寄付限度額は変わってくる
ふるさと納税の寄付限度額は、以下の控除を受けていると金額が変わってくることがあるため、注意が必要です。
- 医療費控除
- 住宅ローン控除
- 扶養控除
- 保険料控除など
先に紹介した計算シミュレーションや、ネット上などで出回っているシミュレーターは、これらの控除をが想定されていない場合がほとんど。
もしこれらの控除を受けている場合、限度額が減ることがあります。
そのため医療費控除などの控除を受けている場合は、各自治体や税理士などに問い合わせて正確な寄付限度額を確認するのがおすすめです。
12月末日までにふるさと納税を行う
ふるさと納税の寄付金額は、寄附する年の年収が影響します。
そのため、年内にふるさと納税の支払いを終わらせる必要があります。
ただし、源泉徴収票が配布されるのは年末近くであることから、年末にふるさと納税を行う人が多い傾向にあるのも事実。
その結果、各自治体にふるさと納税が殺到して対応が間に合わず、返礼品がなかなか届かない、といったケースもちらほらあります。
このような事態になるのを防ぐために、前年の年収をベースにふるさと納税を行う方法もあります。
前年の源泉徴収票を手元に用意して、前年のふるさと納税の寄付限度額を算出しましょう。
年収がある程度決まっていて、大きく変動しないのであればこちらの方法がおすすめです。
前年の寄付限度額を算出していることになるのであくまで目安の金額にはなりますが、ある程度の寄付限度額を把握することができます。
算出した限度額の8割程度の金額でふるさと納税を行っておいて、今年の源泉徴収票が配布されてから残りの金額を寄付することで、年末でもスムーズにふるさと納税を行うことが可能です。
寄付限度額よりも少ない金額でふるさと納税を行うとどうなる?
寄付限度額よりも少ない金額でふるさと納税をした場合は、特に問題はありません。
自己負担額2,000円は変わらず必要になるだけで、他に困ったことや不利益になることは何も起こりません。
しかし限度額いっぱいに寄附をした方が、豪華な返礼品を受け取れるのでお得です。
限度額を超えない限りは自己負担額も変わらないため、限度額ぎりぎりまで寄附した方がお得といえるでしょう。
寄付限度額を超えてしまうとどうなる?
寄付限度額を超えた場合、超えた分には控除が適用されません。
つまり、ただ自己負担額が増えるということです。
たとえば2万円の寄付限度額に対して5万円のふるさと納税を行った場合、限度額を超過した3万円は控除が適用されないため、自己負担となります。
せっかくお得なふるさと納税を行うのですから、慣れないうちは「限度額よりもやや少なめ」を意識して寄附することがおすすめです。
損しない!ふるさと納税を活用する手順
ここまでご紹介したこと内容を踏まえて、損せずにふるさと納税を行う手順をまとめました。
- 前年の源泉徴収票をもとに、寄付限度額を調べる
- 11月頃までに、寄付限度額の8割程度の寄付を済ませておく
- 今年の源泉徴収票が配布され次第、正確な寄付限度額を調べる
- 12月末までに、残りの限度額までの寄付をする
- ワンストップ特例制度 or 確定申告をして完了
1.前年の源泉徴収票をもとに寄付限度額を調べる
前年の源泉徴収票から寄付限度額を調べる方法は、給料の変動がそこまでない方向けのやり方です。
「給料体系が変わった」「転職した」などに該当する方は、自治体や専門家に確認して限度額を調べるようにしましょう。
特に年収が減っている可能性がある方は、注意が必要です。
年収が減るとその分寄付限度額も少なくなります。
2.11月頃までに限度額の8割程度の寄付を済ませておく
ふるさと納税は1年中、いつでも行うことができます。
複数回に分けて申し込んでも大丈夫なので、11月頃までに8割程度の寄付を済ませておきましょう。
そうすることで、バタバタする年末を避けて余裕のあるふるさと納税ができます。
また、人気の返礼品は年末になるとなくなってしまうことも少なからずあります。
早めにふるさと納税をしておくことで、「確実にほしい返礼品をゲットできる」というメリットもありますよ。
3.今年の源泉徴収票が配布され次第正確な寄付限度額を調べる
12月になると、ようやく勤務先で今年分の源泉徴収票が配布されます。
そこでその年の年収がはっきり分かったら、正確な寄付限度額を調べましょう。
4.12月末までに、残りの限度額までの寄付をする
正確な寄付限度額が分かったら、残りの金額分のふるさと納税を12月末までに申し込みましょう。
ふるさと納税の受付は、毎年1月1日から12月31日までです。
注意が必要なのは、ふるさと納税の決済までを12月31日までに済ませなければいけないということ。
もしその年の12月31日までに決済が完了できなかった場合は、翌年分の寄付となってしまいます。
そうなると控除を受けられるのも翌年になってしまうので、必ず年内に決済も済ませることが重要です。
5.ワンストップ特例制度 or 確定申告をして完了
ワンストップ特例制度か確定申告で寄付金控除の申請をしないと、所得税や住民税の控除がされないので、必ずどちらか行いましょう。
ワンストップ特例制度とは、確定申告をしなくても寄付金控除が受けられる制度のことです。
ただし利用できる人には条件があるので、下記の表で確認してください。
ワンストップ特例制度を利用できる人 | 確定申告が必要な人 |
|
|
ここでご紹介した手順通りにふるさと納税を行えば、期限内に限度額いっぱい寄附ができて、お得なふるさと納税を最大限活用できるでしょう。
まとめ
今回は、ふるさと納税における「年収」の意味や寄付限度額について詳しく解説しました。
本記事の要点をまとめると、以下の通りです。
- 給与収入とはいわゆる年収のことで、源泉徴収票の「支払金額」の欄に記載されている
- 寄付限度額は「住民税決定通知書」で確認できる
- 医療費控除などを受けていると、寄付限度額は変わってくるので注意が必要
- 寄付限度額を超えないように、寄付限度額いっぱいにふるさと納税した方がお得
きちんと理解してふるさと納税を行えば、税金の控除も受けられて返礼品ももらえてお得になります。
ふるさと納税の仕組みはシンプルなので、ぜひあなたもふるさと納税でお得なメリットを受けてください!まずは限度額シミュレーションで、自分がいくらまでふるさと納税ができるのかチェックしてみましょう!