ビールの種類はたくさんあって、それぞれ異なる味わいや香りを持っています。
でもどれがどう違うのか、どのような分類があるのか、実はよくわからないですよね。
このページでは、ビールの種類について、早見表や一覧表を使ってわかりやすくまとめました。
それぞれの種類の特徴や豆知識についても解説します!
ビールの種類に詳しくなって、ビール選びをもっと楽しんでみませんか?
ビールはまず「エール」と「ラガー」に分けられる
ビールとは麦芽を原料に、ビール酵母で発酵させたアルコール飲料のことですが、世界中にたくさんの種類のビールが存在します。
そんなビールですが、大きく分けると2種類、「エール」と「ラガー」に分けることができます。「エール」は古くからある発酵方法で、高めの温度、短期間で発酵・熟成されたビールです。
「ラガー」は中世以降に始まった発酵方法で、低めの温度、長めの期間で発酵・熟成されるビールです。さらに、エールやラガーとは違い、自然発酵で作られるビールもあります。
早見表にすると以下の通りです。
エール | ラガー | その他(自然発酵) | |
特徴 | 香りが豊かなビール。 クラフトビールに多い |
のどごしの良いビール。 日本の有名ビールに多い |
独特の香りや酸味があるビール。 珍しい |
発酵方法 | 上面発酵 | 下面発酵 | 自然発酵 |
歴史 | 長い歴史がある | 中世以降に始まった | ー |
発酵温度 | 常温~高め (20℃程度) |
低め (5℃前後) |
それぞれ |
発酵期間 | 短め (3~4日) |
長め (7日~10日) |
かなり長め (1年以上等) |
熟成期間 | 短め (約2週間) |
長め (約1か月間) |
かなり長め (1年以上等) |
上面発酵(エール)と下面発酵(ラガー)
上面発酵は比較的高温で行われる発酵方法です。一般的には20度程度の範囲で行われます。
酵母が発酵の過程で液体の表面に浮かんだまま発酵するため、「上面発酵」と呼ばれます。
下面発酵は比較的低温で行われる発酵方法です。一般的には5度前後の範囲で行われます。
酵母が発酵の過程で液体の底に沈んで発酵するため、「下面発酵」と呼ばれます。
ちなみにクラフトビールとは各地域の個性的なビール
日本でビールというと、大手メーカーが販売している定番ビールと、最近よく見かけるさまざまな醸造所の「クラフトビール」に分けられます。
クラフトビールには法的な定義があるわけではないのですが、一般的には大手ビールメーカー以外が作っているビール」「各地域、各醸造所ごとの特徴が際立った個性的なビール」といった定義が浸透しています。
お土産として人気の「地ビール」と、ほぼ同じ意味あいで使われることも多いです。
多くは「エール」に分類されており、個性豊かな味わいが特徴。
そのため、旅行のお土産や、ふるさと納税の返礼品としても人気がありますね。
「ピルスナー」「スタウト」等のビアスタイル分類一覧表
ビールの種類は「エール」と「ラガー」以外にも、「ピルスナー」、「スタウト」などなどもっと多くの名前を聞きますよね。
これらは、エールやラガーといった大分類の中で、さらに細かく分類したものです。この細かい分類を「ビアスタイル」もしくは単に「スタイル」と呼びます。
なんとビアスタイルには、100以上の種類があるんですよ。
定番や有名なスタイルの一部を紹介します。
ピルスナー (ラガー) |
アルコール度数:4.0~5.0 辛口でキレのあるのどごしが特徴の淡色ビール。 日本の有名ビールはほぼピルスナー。チェコ発祥。 |
シュヴァルツ (ラガー) |
アルコール度数 4.0〜5.0 すっきりとした味わいの黒ビール。 「ケストリッツァー シュヴァルツ」が有名。ドイツ発祥。 |
ペールエール (エール) |
アルコール度数:4.0~5.5 甘口で、淡い琥珀色のビール。 日本の「よなよなエール」もペールエール。イギリス発祥。 |
ベルジャンホワイト (エール) |
アルコール度数 4.8〜5.2 やわらかい味わいの白ビール。 「ヒューガルデン・ホワイト」が有名。ベルギー発祥。 |
スタウト (エール) |
アルコール度数:3.8~8.0 濃口で、黒ビールの一種。 アイルランドのギネス社によって作られたビール。アイルランド発祥。 |
ほかにもたくさんの種類がありますよ!
気になるスタイルがあれば、ぜひ調べてみてくださいね。
エール | ラガー | 自然発酵 |
ペールエール インディアペールエール アメリカンペールエ アンバーエール ビターエール レッドエール ブラウンエール ゴールデンエール ダークエール スモークエール ウィートエール イングリッシュエール スコッチエール スコティッシュエー マイルドエール バーレーワイン ヴァイツェン アルト スタウト ケルシュ ポーター トラピスト セゾン フルーツエール サワーエール トリペル ベルジャン ホワイト ロブスト ポーター |
ブロンドラガー ピルスナー ピルス ヘレス エクスポート デュンケル ボック ミュンヒナー シュヴァルツ メルツェン ドルトムンダー ウィンナー ラオホ フルーツラガー |
ランビック クリーク フルーツ |
ビールの種類の分け方はほかにもある
ビールの種類といえばここまで見てきたとおり、まずエールとラガーに分けて、さらに細かい分類をするというもの。
でも、それ以外にもこのような分け方もあります。
色による分類
日本で普段からよく飲まれる淡色ビールや、中濃色ビール、濃色ビールといった分類ができます。
白ビールや黒ビールといった種類もありますよね。
原料による分類
ビールには、麦芽100%のもの以外に、米・コーン・スターチ等の副原料を使用したビールもあります。
麦芽以外の原料の割合によっては、発泡酒や第3のビールに分類されます。
熱処理の有無による分類
変質を防ぐために熱処理(パスとリゼ-ション)をしたものと、熱処理をしない生ビールがあります。
ビールと発泡酒、第3のビールとの違いは?
ビールには、発泡酒や第3のビールといった種類もありますが、違いは知っていますか?
味や値段も異なりますが、そもそも、原料が異なります。
厳密にはもっと細かい定義があるのですが、ざっくりわかりやすくまとめると以下の表のとおりです。
ビール | 麦芽の使用割合が50%以上 |
発泡酒 | 麦芽の使用割合が50%未満 |
第3のビール | 発泡酒に別のアルコール飲料を混ぜたもの |
ビールの選び方のポイント
ビールを選ぶときには、以下のポイントを基準に選ぶと、選びやすいですよ。
- 味わいや香りの好みで選ぶ
- 飲む場所や料理に合わせて選ぶ
- アルコール度数で選ぶ
- 新商品や珍しさで選ぶ
味わいや香りの好みで選ぶ
ビールと一言にいっても商品ごとに味わいや香りは大きく異なります。
そもそも、香りや味わいが豊かなビールがいいのか、スッキリとしたのどごしを求めるかといった点も重要です。
そのときの気分や自分の好み、ギフトであれば相手の好みなどを想像して、選んでみるとよいでしょう。
飲む場所や料理に合わせて選ぶ
たとえば暑い日のビアガーデンなら、スッキリとしたのどごしのビール、軽い味わいのものがほしくなりますよね。
また、濃厚な料理には濃い味のビールを合わせるなど、料理とのペアリングを考えるのも楽しいですよ。
アルコール度数で選ぶ
ビールはアルコール度数が低いものから高めのものまであります。
そのときの酔い具合や気分に合わせて、アルコール度数を見ながら選ぶのも良いでしょう。
新商品や珍しさで選ぶ
ビールには新商品もありますし、クラフトビールや地ビールでは珍しいものもたくさんあります。
特別な機会に飲むビールやギフトとして贈るなら、珍しいものや新商品から選んでみると、経験になりますし、話のネタにもなりますよ。
まとめ
ビールは発酵方法によってラガーとエールに分け、その中でさらに細かい分類を見ていくと、ビールの特徴がわかりやすくなります。
細かい分類のことをビアスタイルといいますが、ビアスタイルは100種類以上あります。
すべてを覚えるのは大変ですが、自分の好みのスタイルを少しずつ覚えていけば、おいしいビールに出会えることも増えていくのではないでしょうか。
ビールを選ぶ際にはビアスタイルを見ていくと選びやすいので、ぜひ参考にしてくださいね。

