北海道十勝地方の北部に位置する上士幌町(かみしほろちょう)は、面積の約76%を森林が占める自然豊かなまち。大自然の恩恵を受けた畑作や酪農などの農業が盛んです。
そんな上士幌町は、ふるさと納税の寄附金を「子育て・教育」「医療・介護・福祉(生涯活躍)」「産業振興」「脱炭素社会の推進」「デジタル社会の推進」の5つの使途に充てています。
本稿では、マイナビふるさと納税担当者が注目する寄附金の使い道について紹介していきます。
今回は、「デジタル社会の推進」という上士幌町のふるさと納税寄附金の使い道について詳しく調べてみました!
上士幌町のふるさと納税の使い道「デジタル社会の推進」について
・対象年度:令和4年度(2022年4月1日から2023年3月31日)
・対象使途:デジタル社会の推進
・対象事業:自動運転バス運行事業 など
・寄附金額:2995万8000円
町認定こども園の保育料無料化にいち早く取り組み、「子育てがしやすいまち」として知られる上士幌町。
現在は、2022年度からふるさと納税の使い道に追加された「デジタル社会の推進」にも力を入れています。最新技術を活用し、過疎地域における住民サービスの向上を目的とする事業で、今回はその中から自動運転バス運行事業について紹介します。
上士幌町は豊かな自然に恵まれる反面、近くに大きな病院や商業施設がありません。そのため自家用車が主な移動手段となっていますが、「運転免許証を返納すると生活の足が無くなる」「公共交通の運転手不足」という課題がありました。
そこでふるさと納税寄附金を活用し、2017年度から自動運転バスの実証実験を進め、2022年12月からは自動運転バスの実用化に向けた市街地の定期運行を行っています。
現在は、積雪寒冷という北海道ならではの地理的条件を克服し、ドライバー不在でも自動車が走行できる「レベル4」の社会実装に向けて取り組んでいるそうです。
上士幌町のふるさと納税担当者によると「ひとつひとつの課題を丁寧に工夫しながら解決し、町民全員が住みやすいまちづくりを目指しています」とのこと。
「デジタル社会の推進」の活動実績・成果
2017年度から実証実験が始まった自動運転バス。2022年12月から市街地の定期運行を行っています。
車内にハンドルはなく、操作をする際はコントローラーやタッチパネルを使用。フランス製の電気自動運転バスで、車体は熱気球や小麦、バイオガスプラントなど、上士幌町の特色をイメージしてデザインされたのだとか!
利用者がスマートフォンから経路上のバス停を一覧で確認し、直近の便がどの区間を走行しているか確認できるなど、運行状況の“見える化”を通じて利便性向上も図っています。
また2024年度から、AIによる音声認識や回答の生成、音声合成技術による高い対話機能を持ったバーチャル車掌を導入。将来的に完全無人走行が可能となった際の乗車時の不安解消を目的とし、周辺施設について案内したり、自動運転バスの仕組みや観光情報などの質問に答えたりするそうです。
・2017年10月:北海道初となる公道での自動運転バス実証実験
・2018年10月:自動運転バス実証実験と住民試乗
・2019年10月:日本初の公道における貨客混載での自動運転バス実証実験
・2021年12月:冬季間の公道における自動運転バス実証実験
※自動運転割合90%のもと、「積雪・路面凍結・降雪環境での自動運転」を検証
・2022年12月:北海道初の自動運転バス定常運行を開始(全国2番目)
市民の声
外から見ると遅いなと思っていたけど、乗ってみると意外と速い。普通のバスだったらガタガタと揺れたり音がしたりすると思うんですけど、静かで雰囲気も良く快適ですね。
寄附者からの声
・いつも素敵な返礼品をありがとうございます。きちんと使われているのも見られることができ、応援しがいもあります。これからも頑張ってください!!
・上士幌町のSDGs取り組み、スマートシティ化の取り組み応援しています。
自治体からのメッセージ
上士幌町は人口約5千人の小さなまちながら、自動運転バスの定常運行を北海道で初めて実施・自動運転バスにAI車掌を自治体で初めて導入するなど、挑戦をし続けています。今後も豊かな自然に恵まれた資源のほか、新たな技術も駆使しながら、安心して住み続けられるまちを目指してまいります。
使い道に共感いただけましたら、ふるさと納税を通じて上士幌町を応援していただけると幸いです。
今回は北海道上士幌町のふるさと納税の使い道「デジタル社会の推進」を紹介しました。まちや北海道ならではの問題などさまざまな課題を丁寧にクリアしながら実施されている事業でしたね。自動バスの運行は、町民の住みやすさを重視して考えられていることが強く伝わってきました。取り組みに興味をもった方は一度チェックしてみてください。
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