確定申告について

【監修】ベンチャーサポート税理士法人 代表税理士 森健太郎

ふるさと納税を利用して寄附を行うと、お礼の品が送られることに加え、税金の控除(還付)を受けることができます。
その税金の控除(還付)を受けるためには手続きが必要です。
手続き方法は2つあり、確定申告の「対象者」と「対象でない方」によって異なります。
ここでは、どういった方がふるさと納税における確定申告の対象者なのかに加え、確定申告のフローなどをわかりやすく解説していきます。

ふるさと納税の確定申告とは

確定申告(ふるさと納税)の仕組み

確定申告とは、1年間(1月1日~12月31日)の所得と納めなければならない税金を計算して税務署に申告・納税をすることです。
ふるさと納税で寄附して確定申告を行うと、住民税と所得税の寄附金控除(還付)を受けることができます。

ふるさと納税 確定申告の対象者

ふるさと納税における確定申告の対象者は以下の通りです。
ふるさと納税分も合わせて確定申告を行うことで住民税・所得税の控除(還付)が受けられます。

①1月~12月の1年間で、寄附先の自治体数が6つ以上
②個人事業主(自営業)
③年間の給与収入が2,000万円以上ある
④2ヶ所以上の会社から給与を受け取っている
⑤不動産、有価証券、会員権などの売却益や譲渡益がある
⑥給与所得は1つの会社からあるが、その給与以外の副収入が20万円以上ある
⑦一定額の給与所得が2つ以上の会社からある
 ※一定額:年末調整されなかった給与収入金額と、給与所得・退職所得を除く各種所得金額の合計額が20万円以上
⑧住宅ローン控除(初年度)・医療費控除などの税金控除・還付を受ける
⑨ワンストップ特例制度の申請期日に間に合わなかった場合

ふるさと納税で確定申告の必要がない方

ふるさと納税で確定申告の必要がない方は以下の3つの条件を満たす方です。
これらを満たす方は「ワンストップ特例制度」という手続き方法で、確定申告を行わずにふるさと納税の税金控除を行えます。
ワンストップ特例制度の説明はこちら

①もともと確定申告の必要のない給与所得者等(会社員など)
②1月~12月の1年間で、寄附先の自治体数が5つ以内
③ふるさと納税以外で確定申告(住民税申告)を行う必要がない

ふるさと納税 確定申告方法フローチャート

ふるさと納税の確定申告方法は4パターンあります。
オンラインで済ませたい、税務署に直接提出したいなど個々によって異なります。
まずは、ご自身がどのパターンの方法で申告したいのか(申告できるのか)をチェックしてみましょう!

※マイナビふるさと納税では、寄付金控除に関する証明書の電子交付に関しまして現在対応できるよう準備を進めております。実装は来年度中を予定しております。

ふるさと納税 確定申告のフロー3step

確定申告の手続きを、「確定申告方法フローチャート」で解説した4つのパターンに対応して解説していきます。流れは大きく3stepです。

STEP.1 必要書類の準備 STEP.2 申請書類の作成記入 STEP.3 起源までに提出

Step1 準備:必要書類の準備

手続きで必要な書類は、確定申告の方法により異なります。

パターン

方法

必要書類

A

e-TAX

マイナポータル連携

・サービス対応している自治体に関してはマイナポータルのデータを連携して、e-TAXでオンライン手続きが可能。証明書の電子発行も可能です。
(確定申告書に証明書情報が自動入力されます)
※サービス対応していない自治体に関しては、「C以下」をご参照ください。

・マイナンバーカード
・源泉徴収票
・還付金の受取口座番号

B

e-TAX

証明書電子発行

・サービス対応している自治体に関してはマイナポータルのデータを連携して、e-TAXでオンライン手続きが可能。証明書の電子発行も可能です。
(確定申告書に証明書情報が自動入力されます)
※サービス対応していない自治体に関しては、「C以下」をご参照ください。

・マイナンバーカード、またはID・パスワード方式の届出完了通知(税務署で発行)のいずれか
・源泉徴収票
・還付金の受取口座番号

C

e-TAX

寄付情報を専用サイトに入力

電子サービス対応していない自治体でもWeb上の申請で対応が可能
自治体から郵送で届く「寄付受領証明書」の内容を、国税庁HPの「確定申告書等作成コーナー」より、指定の項目にご入力ください。
※受領書はご本人のお手元にて5年間の保管義務が生じます。詳しくは国税庁HPをご参照ください。

・マイナンバーカード、または本人確認書類※1
・源泉徴収票
・還付金の受取口座番号
・各自治体から送られてくる寄付金受領証明書

D

税務署

証明書データを印刷して提出
寄付金受領証明書の提出

税務署に郵送・持参して提出
・各自治体から送られてくる証明書(寄附金受領証明書)を、確定申告書と一緒に提出

・マイナンバーカード、または本人確認書類※1
・源泉徴収票
・還付金の受取口座番号
・各自治体から送られてくる寄附金受領証明書

※1:本人確認書類は、マイナンバーカードのコピー(裏・表)が必要です。マイナンバーカードをお持ちでない方は下記の書類を準備することで利用できます。

「マイナビふるさと納税」ではマイナポータルとの自動連携及び証明書電子発行は現在未対応となっております。
実装は令和5年度の寄付の控除申請でご利用いただけるよう適用開始を予定しております。

Aパターン
Bパターン
Cパターン

Step2 作成:申告書類を作成

確定申告書の作成方法は2種類(手書き・ウェブサイト)あります。

パターン

方法

詳細

A・B・C・D

ウェブサイト上で作成

・国税庁の確定申告書等作成コーナーを利用

C・D

手書き

・国税庁の確定申告書等よりダウンロードして印刷
・お近くの税務署から入手

Step3 提出:期限までに提出

Step1・Step2の準備が完了したら、「e-taxでオンライン提出」、または「税務署に持参または郵送」で提出します。

パターン

方法

詳細

A

e-Taxで提出

マイナポータルのデータを連携してe-TAXで提出

B

e-Taxで提出

自治体が発行した証明書データをダウンロードしてe-TAXで提出
※現在、マイナビふるさと納税では証明書電子発行は未対応となっております。(来年度中を実装予定となります)

C

e-TAXで提出

e-TAX
寄付情報を専用サイトに入力

D

税務署に提出(持参・郵送)

各自治体から送られてくる寄附金受領証明書を添付して税務所に持参、または郵送

確定申告スケジュール
確定申告スケジュール
確定申告スケジュール

確定申告の期間は、2月16日~3月15日と決まっています(最終日が土日祝の場合は翌日)。締切り付近になると大変込み合いますので余裕をもって行いましょう。

ワンストップ特例制度と確定申告の違い

ふるさと納税の寄附控除手続きは、ワンストップ特例制度と確定申告の2つの方法があります。どちらで手続きを行うかは対象者の状況により分かれます。
それぞれの特徴や対象者(条件)を表にしていますので確認してみて下さいね。

ワンストップ特例制度と確定申告の違い

手続きの種類

ワンストップ特例制度

確定申告

対象条件

・ふるさと納税以外の確定申告の必要がない方

・1年間でふるさと納税の寄附先が5自治体以下

※確定申告の必要がなくても、寄附先が6自治体以上の場合はワンストップ特例制度は利用できません

・もともと確定申告が必要な方

・1年間でふるさと納税の寄附先が6自治体以上

1年間の寄附先自治体数

5箇所以内

※年間を通して同じ自治体であれば、何回寄附しても1箇所として扱う

制限なし

申請方法

・寄附ごとに各自治体へ申請

ワンストップ特例申請書と各種書類(マイナンバーカード等)の提出

・年に1回、税務署に申請

・確定申告書類とともに、寄附金受領証明書を提出

申請・申告期限

翌年の1月10日

翌年の3月15日頃

税金控除(時期)

・住民税の控除(6月~)

・所得税の還付(5月頃)

・住民税の控除(6月~)

ふるさと納税 確定申告に関するよくある質問

寄附金受領証明書を紛失してしまった場合はどうすればいいですか?

寄附金受領証明書は寄附先の自治体が発行する書類です。自治体にお問い合わせいただくと再発行が可能な場合がございます。
弊社では再発行手続きは出来かねますので、各自治体にお問い合わせくださいますようお願いいたします。

寄附申込をして翌年1月1日までに、転居により住所が変わった場合はどうすればいいですか?

・自治体に住所変更の連絡をします(市区町村 連絡一覧)。
 またマイナビふるさと納税マイページ内の住所変更をお願いします。
・確定申告書には1月1日時点の住所を記入して下さい。
・寄附金受領証明書に旧住所が記載されいてる場合は、税務署によっては受理されないこともあります。寄附先の自治体に再発行依頼をしましょう。

ワンストップ特例制度の利用後に、住宅ローン控除や医療費控除などを受けることになりました。確定申告はできますか?

確定申告をするとワンストップ特例制度の手続きは全て無効になります。
ワンストップ特例制度手続きした寄附分も合わせて、確定申告で控除(還付)手続きを行ってください。

ワンストップ特例制度と確定申告の併用はできますか?

ワンストップ特例制度と確定申告の併用はできません。
確定申告を行った時点で、すでに申請していたワンストップ特例制度の手続きはすべて無効になりますのでご注意ください。

確定申告時に、ふるさと納税の寄附金控除手続きをし忘れました。控除(還付)は受けられませんか?

確定申告期限が過ぎてから5年以内であれば、「更正の請求」という手続きを踏むことで寄附金控除を受けられる場合があります。
尚、ワンストップ特例制度や確定申告自体していない場合は、確定申告期限が過ぎてから5年以内であれば「還付申告」で寄附金控除を受けられる場合があります。

マイナビふるさと納税では寄付金控除に関する証明書の電子交付は可能ですか?

寄付金控除に関する証明書の電子交付に関しましては、現在対応できるよう準備を進めておりますが、実装は来年度中を予定しております。

現時点での控除申請につきましては、自治体の電子証明書発行あるいは郵送で送られてくる「紙の寄付受領証明書」をご活用ください。

e-TAXを活用してのインターネット上の手続き、税務署への必要書類提出による手続き、それぞれご利用いただくことが可能です。

※自治体によって電子交付対応の可否に違いがございます。
※詳しくは自治体HPにお問い合わせください。

確定申告後に税金が控除・還付されるのはいつ頃ですか?

控除対象により異なります。
所得税:寄附した翌年の5月頃
住民税:寄附した翌年の6月頃~翌々年5月まで毎月

ふるさと納税で寄附をしたら、必ず確定申告をしないといけませんか?

必ずしも確定申告が必要ではありません。
ふるさと納税の寄附控除手続きは「確定申告」と「ワンストップ特例制度」の2種類があります。
給与所得者(会社員など)は「ワンストップ特例制度」を利用すれば確定申告の必要はありません。具体的な適用条件などはワンストップ特例制度を参照ください。

e-Taxとは何ですか?

e-Taxとは、インターネットなどを利用して電子的に国税に関する手続きを行えるシステムです。
直接税務署に行かなくても、オンラインで自宅から確定申告などを行えます。

マイナポータルとは何ですか?

マイナポータルとは、政府運営のオンラインサービスで、マイナンバーカードを持っている方であれば利用できます。
各種行政手続きやe-Taxと連携すれば確定申告もオンラインでできる便利なサービスです。

返礼品を探しに行く (TOPへ)